黒い水脈 <4> 幻影城と『匣の中の失楽』の成立過程


■ 作家デビューまで
書名
収録作品 書影
『静かなる祝祭 
人形館殺人事件 
竹本健治自筆原稿復
刻』
静かなる祝祭
人形館殺人事件

※『匣の中の失楽』の原型(プロトタイプ)
「静かなる祝祭」の段階では実名小説。こ
の「静かなる祝祭」に眼を通した中井英夫
が、竹本健治の才能を見抜き、新人であ
りながらいきなり『幻影城』での連載が決
まる。
  最初の連載   
探偵小説専門誌 『幻影城』 /(株)幻影城 刊行
『幻影城
1977 MAR.NO.28』

4月号予告
新連載予告
『幻影城
1977 APR.NO.29』
新連載 序章にかわる四つの光景
1 霧の迷宮
2 黄昏れる街の底で
3 三劫
4 いかにして密室はつくられたか
一章
1 第一の屍体
2 密室ならぬ密室
3 靴と悪戯
4 理想的な殺人
5 白日夢の目撃者
『幻影城
1977 MAY.NO.30』
連載
第2回
6 通り過ぎる影
7 非能率なアリバイ
8 鍵と風鈴
9 殺人者への荊冠
10 さかさまの殺人
『幻影城
1977 JUN.NO.31』
連載
第3回
二章
1 死者の講義
2 ブラック・ホールのなかで
3 第四の扉
4 羽虫の正体
5 二者択一の問題
『幻影城
1977 JUL.NO.32』
連載
第4回
6 プルキニエ現象
7 仲のよくない共犯者
8 見えない棺桶
9 犯罪の構造式
10 牙を剥く悪意
『幻影城
1977 AUG.NO.33』
連載
第5回
三章
1 扉の影の魔
2 推理競技の夕べ
3 愚者の指摘
4 歩き出す仮説
5 扉の向こうには
『幻影城
1977 SEP.NO.34』
連載
第6回
6 カタストロフィーの罠
7 殺人狂想曲
8 もうひとつの空席
『幻影城
1977 OCT.NO.35』
連載
第7回
9 五黄殺人事件
10 正反対の密室
『幻影城
1977 NOV.NO.36』
連載
第8回
四章
1 現実と架空の間
2 ■斗雲に乗って
3 おもちゃ箱の坂で
4 予定された不在
5 屍体のある殺人
『幻影城
1977 DEC.NO.37』
連載
第9回
6 死の手触り
7 不必要な密室
8 用意されていた方法
9 闇の傀儡師
10 架空に至る終結
『幻影城
1978 FEB.NO.40』
完結編 五章
1 降三世の秘法
2 闇のなかの対話
3 大き過ぎた死角
4 ユダの罪業
5 逆転された密室
6 ラプラスの悪魔
7 撫でてゆくのは風
8 遡行する謎解き
9 キングの不在
10 匣の中の失楽
終章に代わる四つの光景
1 九星と血液
2 青い炎
3 解決のない解決
4 不連続の闇
『幻影城
1978 MAY.NO.43』
陥穽
『幻影城
1978 JUL.NO.44』

・『匣の中の失楽』
 近刊予告
『幻影城
1979 JUN.NO.52』

・『匣の中の失楽』
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■ その後の展開
幻影城版
単行本

1978.7.25
最初の
単行本
探偵小説専門誌 『幻影城』に初出
掲載された際の版を、経費削減の
観点から再利用しているため、初出
時からの変更点はマイナーチェンジ
に留まる。
版型が、他の幻影城ノベルスと比較
して大きいのは、版の再利用のため
である。
講談社文庫

1983.12.15
最初の
文庫本
単行本と比較して、大幅な改訂が行
われている。ほぼ全ページにわたっ
て、推敲の跡がみられる。
単行本に見られた先行する作家(例
えば、中井英夫や埴谷雄高)への言
及がカットされている。
講談社ノベルス

1991.11.5
最初の
ノベルス
通常、単行本からノベルスを経て、
文庫になるのが通例だが、『匣の中
の失楽』は、講談社がノベルスでも
売れると判断したのだろうか、講談
社文庫から講談社ノベルスに姿を変
えている。
綾辻行人の推薦文がつき、新本格
ブームへ影響を与えた作品としての
位置づけがなされている。
このノベルスを定本とさせるべく、文
庫からさらに修正が入っている。
双葉文庫

2002.10.20
二度目
の文庫
綾辻行人との対談や、『匣の中の失
楽』論集、さらには創作ノートまで併
録し、資料面での充実を図ってい
る。
講談社文庫 三度目
の文庫
新装版。
「匳(こばこ)の中の失楽」も収録。
南雲堂版
豪華本

20XX.XX.XX
二度目
の単行
企画進行中




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